勘違い? 水蒸気蒸留法と熱水蒸留法
今回はエッセンシャルオイルを抽出するための「蒸留」についての話題です。
エッセンシャルオイルを抽出する中で最も一般的な方法が水蒸気蒸留法。ティーツリーオイルもこの方法で抽出されています。最も単純で原始的な方法である一方、現在では気化温度と時間により出てくる成分を取り分けるために蒸気を集めるタイミングを調整したり、圧力をかけることによって水の沸点を調整して水蒸気の温度を変化させたりと、複雑化してきています。
さて、こんな水蒸気蒸留法ですが、「オイルを含んだ水蒸気を集めるから水蒸気蒸留法なんだ」と思っていませんか? 確かに正しいですがこれだと半分だけ正解。
水蒸気蒸留法は「スチーム・デストリューション」、つまり植物の下から水蒸気を当てて蒸して蒸留するのです。例えば画像の場合、葉の下に水を入れて、水面より上にネットを敷いた上でそこに植物を置いて蒸留する事になります。
これに対して、植物を水面下に置いてグツグツ煮込んでしまうような方法で出てくる水蒸気を集める方法が熱水蒸留法「ハイドロ・デストリューション」。方法自体は水蒸気蒸留と似ていますが、熱水で煮込んでしまう分だけ、より高い温度(摂氏100度に近い温度)で抽出されやすい成分が多く含まれるオイルに仕上がります。
これら2つの蒸留法は一見すると似た方法のため、アロマに詳しい方であっても違いを知らない方も多いようですが、オイルの仕上がりは微妙に変わってきますので(成分解析すると数値に明確な違いが見られます)、是非知っておいていただきたいと思います。
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