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2013年4月30日 (火)

虫よけとティーツリーオイルの関係

Btt

ネットで調べ物をしていると時折、出てくるのがティーツリーオイルと「虫よけ」に関する関係。

ここで言う「虫よけ」とは主に蚊やブユなどを対象にした「虫よけ」の話なのですが、その成分としてティーツリーオイルの名前がしばしば登場しています。また、ティーツリーを活用した虫よけなども紹介されているのを見かけますが、ティーツリーの専門家の立場からすると、その効果には残念ながら少し「???」。

その理由は単純で、ティーツリーオイルには蚊やブユが嫌う成分が多く含有されていないから。確かに何もしないよりはマシかもしれませんか、積極的に採用するための動機付けとなるほどの成分が含まれていないのです。

では、「蚊やブユに効果的なエッセンシャルオイルは何?」ということになりますが、一番効果的なのはシトロネラールの成分が多いレモンユーカリオイル。レモングラスやシトロネラオイルなどにも比較的多く含まれている成分です。ただレモンユーカリはこの成分が70%台と飛び抜けて高いので特に効果的なのです。
レモンティーツリーオイルもシトロネラールとシトラールの含有量が多く、虫よけとして効果的。香りも優れているためティーツリーファームズの虫よけスプレーはこのオイルを軸にブレンドしています。

このほかペパーミントやラベンダーのオイルにも虫よけ効果が知られていますので、「虫よけ」としてこれらのオイルをブレンドするケースも多いようです。ただ、どちらも香りが強い精油ですので、無茶苦茶に混ぜ合わせてしまうと結構すごいスゴイ香りになってしまいますから、注意してくださいね。

ティーツリーオイルは「虫よけ」にはあまり効果は期待できないと書きましたが、刺されてしまった後の「虫刺され」対策としてはかゆみ止め、炎症止めとしての効果が知られていて、オーストラリアでも広く一般的に活用されています。

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2013年4月22日 (月)

季節外れ 抗菌エッセンシャルオイルの出荷が増えてきました

Bottles2例年なら11月頃より出荷が増える抗菌エッセンシャルオイル。中国からの季節外れのインフルエンザなどもあり、空間の抗菌を目的とした抗菌エッセンシャルオイル「メディフレグランス」の出荷がジワジワと増えてきました。人の移動が増える大型連休後に影響が広がる可能性もあり、気になります。

メディフレグランスはティーツリーオイルを2次蒸留することにより抽出した抗菌成分を主成分として開発された、空間の抗菌を目的にした特別なエッセンシャルオイル。ティーツリーのほか、ラベンダーやミント、オレンジなどの香りで飾りながら、さり気なく空間の抗菌をしてしまう新しいタイプの精油です。

使い方は簡単で、超音波式のディフューザーを使って空間に拡散するだけ。なお、アロマランプは拡散量が不十分ですのでオススメできません。また効率的に拡散するため、専用の抗菌ディフューザーなど噴霧量の多いディフューザー機器の使用がお勧めです。

既にグズグズした症状がある方、花粉やダストが気になる方などはメディフレグランスのユーカリ・グロブルスやユーカリ・ラディアータオイルがお勧め。中でも強めの清涼感をお好みならユーカリ・グロブルスのオイルが良いでしょう。

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2013年4月 4日 (木)

ティーツリーのアウトレット商品の販売について

Tea Tree Farmsでは不定期にフェイスブック上の専用ページでアウトレット商品の販売を実施させていただいています。今回は今日(4月4日)から実施させていただき、5種類のオイル計6本を販売させていただきます。ご注文の受付は先着順で商品が完売した時点で終了となります。ご注文はFacebook上からのメッセージかTea Tree Farmsのホームページからのメールでどうぞ。
アウトレット商品とはボトリング時に規定量に達しなかったオイルや、パッケージングのダメージなどにより正規販売ルートを外れた商品、ロットの入れ替えで出荷を終了した商品などとなります。もちろん、オイルの品質には全く問題のないものです。
通常商品同様に商品には成分分析表を添付して出荷致します。

アウトレット商品はTea Tree FarmsのFacebookページで随時ご案内していますので是非この機会に「いいね」ボタンを押して登録して下さい。
▽Tea Tree Farms Facebookページ
なお、アウトレット商品には商品代に加えて送料(980円/10豪ドル)が必要になりますので、通常の商品と合わせてご注文いただくのがお勧めです。この場合、当社よりお知らせする特別な番号を当社ホームページよりご注文時に備考欄にご記入いただく事で合わせたご注文が可能となります。

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2013年4月 2日 (火)

ティーツリーオイルの『真贋論争』

かつて、オーストラリアにおいてティーツリーオイルの『真贋論争』があったことをご存じでしょうか? 今回は知られざるこんな話題。

数あるエッセンシャルオイルの中でもっとも研究が進んでいるオイルでもあるティーツリーオイルにはISO(国際標準化機構)でその品質の基準が定められています。これにより一定のレベルのオイルの品質が保たれるルールになっているのですが、このISO制定の舞台裏にあったのがオイルの真贋論争、つまり「本物のティーツリーオイル」を巡る業界の中での激論でした。
ティーツリーオイルといえば一般的には「Melaleuca alternifolia」のオイルを指します。むしろ多くの方がこの名の樹木こそが唯一のティーツリーの木だと認識している事かと思います。しかし、下記のISOの規格を読んでみると意外な事実が。

AS 2782 – 2009 Oil of Melaleuca, terpen-4-ol type (Tea Tree Oil)

Essential oil obtained by steam distillation of the foliage and terminal branchlets of Melaleuca alternifolia (Maiden et Betche) Cheel, Melaleuca linariifolia Smith, and Melaleuca dissitiflora F. Mueller, as well as other species of Melaleuca provided that the oil obtained conforms to the requirements given in this International Standard.

上記の規格によりますとティーツリーオイルはMelaleuca alternifoliaに加えて、Melaleuca linariifoliaMelaleuca dissitiflora、そしてそのほかの国際基準を満たすメラルーカ種の樹木より水蒸気蒸留法により抽出されたオイルと定められているのです。
このISO制定に深く関わった友人によるとその理由の一つがティーツリーオイルを巡る真贋論争だったと言います。
当時、比較的容易に栽培でき、その良好な生産者価格により高い利益が見込めるティーツリーの栽培がブームになっていました(オーストラリアの農家は時々の流行によって栽培する作物をしばしば変えることが珍しくありません)。この結果、多くのティーツリー生産者が生まれましたが、一方でその品質にはバラツキが目立つようになったため、統一した品質基準が必要になった事がISO制定の第一の目的でした。
この時、同時に勃発していたのが複数のメラルーカ種の樹木からティーツリーオイルが生産されていたという事実による真贋論争です。共にメラルーカ種の近い種類の木ですから、ケモタイプによっては非常に似た成分のオイルを抽出する事ができたのです。この結果、「本物のティーツリーオイルの木」を巡る論争が勃発しました。

利益とビジネスの存亡を賭けた激しい論争の末、決着したのはISOとして定める品質基準を満たすことを条件に全てのメラルーカ種の樹木より抽出されたオイルをティーツリーオイルと認める、というルールでした。そしてようやくこの真贋論争に終止符が打たれるのです。

その後、1990年代後半から2000年代前半にかけてのティーツリー生産者価格の大幅な下落により、主に取引単価の低かった低グレードのオイルが採れる畑の栽培農家から順に生産撤退が相次ぎ、ティーツリーの栽培ブームは終わりを迎えます。結果、ティーツリーオイルの品質の平均値が大きく向上する事になりました。

こんな曲折を経て、現在でこそMelaleuca alternifolia が主役のティーツリー業界。しかし過去にはこんな論争があったのです。そして現在もメラルーカ種の樹木の研究は進められています。もしかすると数年後、数十年後にはもっと優れたメラルーカ種の樹木・ケモタイプが発見され、「ティーツリーオイルの木」の主役が入れ替わってしまう事だって考えられますね。

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