精油を語る(12)ネロリーナ/ニアウリLNCT
今回の精油はMelaleuca quinquenerviaのオイル。あえて学名でご紹介したのはこの樹木からは色々な種類のオイルが抽出されるからです。
ケモタイプという言葉をご存じでしょうか? これは植物学的な分類では同じ種類の植物であっても、そこから抽出されるオイルの成分構成が全く異なる事があるため、植物の種類だけでなく、これをさらに細かく分類したものです。
Melaleuca quinquenerviaのオイルも実に様々な種類のオイルが抽出されるため、多くのケモタイプに分類されます。最も代表的なものが1,8シネオールケモタイプと呼ばれるもので、その名の通り1,8シネオールという成分を中心に構成されたケモタイプのオイルで、一般的に「ニアウリオイル」の名前で知られているオイルになります。
これに対して、今回ご紹介するオイルはリナロール・ネロリドルケモタイプと呼ばれるもので別名は「ネロリーナオイル」。リナロールが約50%、ネロリドルが約40%含有されるケモタイプで、一般的なニアウリオイルに60%以上の割合で含まれる1.8シネオールは3%前後しか含まれません。
もちろんオイルの香りも全く異なります。刺激のない森林を思わせる優しい香りが特徴で、ブレンドオイルとしても大いに役立ちます。リナロールの含有量が大きいため、リラクゼーション分野でも有用で、例えばマッサージなどでの活用が考えられるでしょう。成分からは火傷や虫刺され対策での活用も期待できます。
正直なところ、このオイル単体としては出荷数量も多くない、どちらかというとマイナーな精油になりますが、その成分構成より多くの可能性を秘めたオイルで、虫除けやアタマジラミ対策など、ヒーリングスタイルの各種商品にも活用されています。
最後にもう一度「ケモタイプ」という言葉に戻りましょう。時折、お客様より『Tea Tree Farmsのオイルはケモタイプオイルですか?』というお問い合せをいただく事がございます。恐らくケモタイプという言葉をオイルの品質やグレードと誤解されての事かと思います。
全てのエッセンシャルオイルはいずれかのケモタイプに分類することが可能です。後はエッセンシャルオイルの生産者・メーカーがこれを正しく理解し、選択しているかどうかということ。一方で、多くのオイルでは有用なケモタイプの分類が既に樹木の栽培時に行われ、そのケモタイプのみを栽培するようになっているため、こうした分類が行われなくなっています。例えばティーツリーオイル。実はティーツリーにも様々なケモタイプが存在するのですが、栽培されているのは高い抗菌成分を含有するテルピネン4オールケモタイプと呼ばれるもののみとなっていますので、あえてケモタイプの分類を行う必要がなくなってしまいました。
Melaleuca quinquenerviaの木から抽出されたちょっと変わったケモタイプオイル「ネロリーナ」。アロマがお好きな方なら、是非一度お試し下さい。
▽ニアウリLNCT/ネロリーナオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/niaouli_LNCT_product.htm
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