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2012年2月25日 (土)

2月13日以降の出荷商品の遅延について

2月13日以降に出荷させていただいています商品に遅延が生じています。
通常であれば出荷日より起算して7日〜10日ほどでお届けしています出荷商品に現在、遅延が生じています。原因はオーストラリア国内で発生しました集中豪雨による洪水の影響により、当社所在地とシドニーを結ぶ国内陸送幹線道路の一部に不通が生じたことが原因となっております。

現在では復旧しておりますものの、この影響を受けた2月13日以降、数日間の出荷商品で遅れが生じております。商品は日本に到着次第、順次配送が行われており、14日出荷商品につきましても25日に到着のご連絡を受けておりますものの、通常より長らくお待ちいただく状況となっております。

商品の到着をお待ちいただいておりますお客様には今回、長らくお待たせし大変恐縮ではございますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

なお、気象条件の悪化によるオーストラリア国内の物流の混乱については現在の時点では解消していますので、2月22日以降の出荷商品につきましては通常通りお受取りいただけるものと考えております。

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2012年2月15日 (水)

精油を語る(15)マカデミアナッツ

Mac2今回は精油ではありませんが、マカデミアナッツオイルについて語ってみたいと思います。

マカデミアナッツオイルは以前ご紹介したホホバオイルと同じキャリアオイルに分類されるオイルになります。画像のように、厚い果皮の中にナッツはあります。果皮の下のこのナッツのシェルも厚さが3ミリほど有りますので、ピーナッツのように指先で割ることは不可能。2重の硬い殻に守られてマカデミアナッツは育ちます。
ところで、日本ではマカデミアナッツといえばハワイのイメージが強いようですが、実はオーストラリア原産の樹木です。

マカデミアナッツオイルはこのナッツの果皮とシェルを取り除き、低温圧搾することにより抽出されます。こうして抽出されたオイルは栄養価に優れ、また皮脂に近いためスキンケア用途としても広く用いられています。事実、オーストラリアにおいてマッサージを受ける際、最も多用されているのがこのマカデミアナッツオイルです。

マカデミアナッツオイルには大きく分けて2つの種類があります。1つは食用グレードのオイル、そしてもう一つはコスメテックグレードのオイルです。

食用グレードとはその名前の通り食用として用いる事を前提に生産されたオイルです。精製されていないため栄養価も高く、強いマカデミアナッツの香りがあります。この種類のオイルをアロマの分野で利用する場合の難点はオイルの粘性が非常に高いこと。つまりオイルが持つベトベトした、あの粘りが強いため、マッサージオイルなどとしては使いづらいということです。加えて精製されていないことから劣化しやすく、数ヶ月で酸化による腐臭が感じられるようになることから、冷蔵庫での保存が必要になるほか、長期の保存には適しません。

コスメティックグレードのオイルは、こちらもその名前の通り化粧品用途向けのオイルです。Tea Tree Farmsのオイルもこのグレードのオイルです。
オイルを精製することにより粘性が低くなっていますので、マッサージオイルとして使用した時にもベトベト感がなく、とても延びの良いオイルです。また、ナッツ特有の香りも抑制されていますので、精油の希釈にも適しています。
もちろん精製されている分、栄養価は無精製の食用オイルほど高くありませんが、それでも十分なバルミトレイン酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸を含み、スキンケアとして全く問題なく活用できるオイルです。加えて精製により不純物が取り除かれているため、酸化による劣化に強く、常温のままでも長期保存が可能です。オーストラリアにおいてマッサージに用いられているのはこのコスメティックグレードのオイルです。

オイルとして成分が安定し、スキンケアとして多用できる事に加え、比較的安価なのがこのオイルの魅力。クレンジングオイルとして活用しているお客様も多くいらっしゃいます。香りが抑制されていますので、精油を希釈するオイルとしても便利。精油を使って色々作りたい・・・というお客様には必ず1本常備いただきたいオイルですね。また、手作り石鹸の素材としてもお勧めです。

▽マカデミアナッツオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/c_product_maca.htm

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追記:
マカデミアナッツオイルは気温が下がり、オイルの温度が下がった場合、白濁したり沈殿物が生じる場合があります。この場合、ぬるま湯を使って暖めるなどしますと白濁はなくなります。また気温が上がってオイルの温度が上がりますと自然に溶解してなくなります。
今年は冷え込みが厳しいということで、この様な症状が出ているお客様もおられるかもしれませんが、品質には全く影響はございませんので安心してご活用下さい。

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2012年2月10日 (金)

精油を語る(14)ティーツリーオイル・エクストラクト

Teatree_ex1今回の精油は「ティーツリーオイル・エクストラクト」。この名称から「精油なの?」と疑問に思われる方もおられるかと思いますが、ティーツリーの木より抽出された成分のみで構成されている、紛れもない精油です。

ティーツリーオイル・エクストラクトは水蒸気蒸留により抽出されたティーツリーオイルをさらに特殊な条件下(温度・圧力)により2次蒸留することにより抽出された精油です。2次蒸留することにより、ティーツリーオイルが持つ抗菌成分「テルピネン4オール」を濃縮し、一般的なティーツリーオイルの約3倍の抗菌成分を含有しています。

オイルには高い抗菌効果が期待できる一方で、香りは従来のティーツリーオイルとは全く異なる、穏やかな古木のような香り。残念ながらそのまま芳香で楽しめる好ましい香りとは言い難いのですが、ラベンダーやオレンジなどトップノートの香りで容易にマスクできますので、マスクすることが困難だったティーツリーオイルの代替としても利用できますね。

なお、ティーツリーオイル、エクストラクトオイルの両方で言えることなのですが、これらのオイルの抗菌成分となっている「テルピネン4オール」が体質に合わないケースがまれに報告されています。体質に合わない場合、肌が赤くなったり痒みを伴う湿疹が出るケースがあります。
これは他のエッセンシャルオイルにも言えることなのですが、これらの商品を利用して手作り石鹸や手作りコスメなど、肌へ直接使用する事をお考えの場合は十分に気をつけていただきたいと思います。事前にパッチテストを行い、体質に合っているかを確認する事も有効です。

体質にさえ合っていることが確認できれば活用範囲はグッと広がります。たとえばTea Tree Farmsのスタッフの家族が利用したケースで、なかなか退治できなかった「爪水虫」に劇的とも言える効果を発揮しました。
体験談:ティーツリーで爪水虫対策

その強力な抗菌効果から様々な活用方法が考えられるティーツリーオイル・エクストラクト。日常生活で広く活用できるエッセンシャルオイルです。

▽ティーツリーオイル・エクストラクトのページ
http://www.teatree.jp/TTF/teatree_extract_product.htm

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2012年2月 9日 (木)

精油を語る(13)オーストラリアン サンダルウッド

2010sandalwood01今回の精油はオーストラリアンサンダルウッドオイル。
かつては高額なインド産のサンダルウッドの安価な『代替品』として知られていましたが、現在ではその優れた品質と香りから、既に『代替品』の域を脱し、世界的に高い評価を受ける精油として成長しました。

一方で過去には生産者価格が急騰し、マネーゲーム化した上、森林資源の乱伐が起きたことから一部の有力エッセンシャルオイルメーカーはこの事態を憂慮、生産者マーケットに対して抗議をする意味も含めて販売を世界規模で全面停止するなどの動きがあった、いわくつきのオイルでもあります。

この時はTea Tree Farmsでも出荷販売を停止しました。現在ではその生産は州政府によって厳しく管理されるようになり、生産者マーケットも落ち着きを取り戻したこともあって、2010年よりTea Tree Farmsでも出荷を再開しています。

オーストラリアンサンダルウッドオイルは西オーストラリア州に自生する天然木より抽出されます。そして良質なサンダルウッドオイルを作るためには2つの重要な技術的なポイントがあります。以前にこのブログでご紹介していますので、今回抜粋してご紹介しましょう。

1つ目は蒸留のための技術。サンダルウッドオイルは水蒸気蒸留法によって抽出されます。つまり植物を蒸し上げて、その蒸気を集め、そこからオイルを分離する方法です。蒸留には温度と圧力、そして時間の管理が要求されます。
水蒸気蒸留では蒸留時間が長ければより多くのオイルが抽出できますが、香りの上で好ましくない成分が増える事により、香りに濁りが生じる事があります。サンダルウッドオイルにおいても同様で、蒸留時のある一定の段階でウッディーな香りを阻害する成分が上がっていますので、この段階だけの蒸気を分離し、仕上がったオイルに入らないように調整しているのです。もちろん仕上がった段階でのオイルの量は減りますが、この方法によってより香りの優れたオイルが抽出される事になります。

そして2つ目が調合技術。天然自生しているサンダルウッドはその伐採地域によって抽出されるオイルの成分が大きく異なります。つまり「ケモタイプ」が異なるということです。
この意味を単純化してご説明しましょう。例えば北部では成分Aが50%、成分Bが30%、成分Cが20%含まれる木がサンダルウッドがあるとします。しかし中部ではこのバランスが成分A20%、成分B70%、成分C10%だとします。そして南部では成分A40%、成分B40%、成分C20%と仮定します。
この場合、3地域のサンダルウッドの成分は全く異なり、この違いは香りにも現れますので、このままでは「サンダルウッドの香り」というものが成り立たなくなってしまいます。そこでこれら複数のケモタイプのオイルを調合し、一般的に好まれるサンダルウッドオイルの香りと成分構成となるよう調合・ブレンドする事になるのです。
これこそが職人技。優れたサンダルウッドオイルの香りは優れたブレンダーの技から生まれることになるのです。


この様にして生産されたサンダルウッドオイル。まさに「匠の技」が成せる香りと言えるのではないでしょうか。優れた生産者がいなければこの香りは成り立ちません。

Tea Tree Farmsでは西オーストラリア州の複数の生産者と直接交渉の上、より優れた品質のオイルを安定的に供給できる体制を整えました。なお、交渉にあたって一番重視したのは価格ではなく、生産技術、品質への取り組みと森林保護への姿勢、そして生産者としてのポリシーでした。
互いに共感できるパートナーとオーストラリアンサンダルウッドの出荷を再開できたことは大変嬉しい事だと思います。

▽オーストラリアンサンダルウッドオイルのページ
http://www.TeaTree.jp/TTF/sandalwood_product.htm


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2012年2月 7日 (火)

精油を語る(12)ネロリーナ/ニアウリLNCT

Niaouli2今回の精油はMelaleuca quinquenerviaのオイル。あえて学名でご紹介したのはこの樹木からは色々な種類のオイルが抽出されるからです。

ケモタイプという言葉をご存じでしょうか? これは植物学的な分類では同じ種類の植物であっても、そこから抽出されるオイルの成分構成が全く異なる事があるため、植物の種類だけでなく、これをさらに細かく分類したものです。
Melaleuca quinquenerviaのオイルも実に様々な種類のオイルが抽出されるため、多くのケモタイプに分類されます。最も代表的なものが1,8シネオールケモタイプと呼ばれるもので、その名の通り1,8シネオールという成分を中心に構成されたケモタイプのオイルで、一般的に「ニアウリオイル」の名前で知られているオイルになります。

これに対して、今回ご紹介するオイルはリナロール・ネロリドルケモタイプと呼ばれるもので別名は「ネロリーナオイル」。リナロールが約50%、ネロリドルが約40%含有されるケモタイプで、一般的なニアウリオイルに60%以上の割合で含まれる1.8シネオールは3%前後しか含まれません。
もちろんオイルの香りも全く異なります。刺激のない森林を思わせる優しい香りが特徴で、ブレンドオイルとしても大いに役立ちます。リナロールの含有量が大きいため、リラクゼーション分野でも有用で、例えばマッサージなどでの活用が考えられるでしょう。成分からは火傷や虫刺され対策での活用も期待できます。

正直なところ、このオイル単体としては出荷数量も多くない、どちらかというとマイナーな精油になりますが、その成分構成より多くの可能性を秘めたオイルで、虫除けやアタマジラミ対策など、ヒーリングスタイルの各種商品にも活用されています。


最後にもう一度「ケモタイプ」という言葉に戻りましょう。時折、お客様より『Tea Tree Farmsのオイルはケモタイプオイルですか?』というお問い合せをいただく事がございます。恐らくケモタイプという言葉をオイルの品質やグレードと誤解されての事かと思います。

全てのエッセンシャルオイルはいずれかのケモタイプに分類することが可能です。後はエッセンシャルオイルの生産者・メーカーがこれを正しく理解し、選択しているかどうかということ。一方で、多くのオイルでは有用なケモタイプの分類が既に樹木の栽培時に行われ、そのケモタイプのみを栽培するようになっているため、こうした分類が行われなくなっています。例えばティーツリーオイル。実はティーツリーにも様々なケモタイプが存在するのですが、栽培されているのは高い抗菌成分を含有するテルピネン4オールケモタイプと呼ばれるもののみとなっていますので、あえてケモタイプの分類を行う必要がなくなってしまいました。


Melaleuca quinquenerviaの木から抽出されたちょっと変わったケモタイプオイル「ネロリーナ」。アロマがお好きな方なら、是非一度お試し下さい。

▽ニアウリLNCT/ネロリーナオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/niaouli_LNCT_product.htm

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2012年2月 2日 (木)

精油を語る(11)ニュージーランド ラベンダー

16_nz_lavender_1_1_1_3_1精油を語る、11回目はニュージーランド産のラベンダーオイルです。Tea Tree Farmsではオーストラリア産のエッセンシャルオイルとキャリアオイルばかりを取り扱っていますが、マヌカオイルとこのニュージーランドラベンダーの2種類だけは例外で隣国のニュージーランド産。どちらも現地の農園より直接オイルを届けてもらっています。

ニュージーランドでは以前よりあちこちでラベンダーやラベンダーの近似種ラバンジンの栽培が行われていましたが、どちらも生産量が限られ、また特色のあるオイルではなかったため、注目されることはほとんどありませんでした。
この状況を打ち破り、フランスの展示会などを通じて世界的に注目と高い評価を集めたのがアビスヒルと名付けられたこの真正ラベンダーのオイルです。

ラベンダーオイルは世界各地で栽培されており、栽培されている地域によってそれぞれ「個性」を持った精油が作られています。例えばオーストラリアですと以前ご紹介したフローラルな香りが美しいタスマニアンラベンダーが代表的な存在です。

ラベンダーオイルはリナロールとリナリルアセテートと呼ばれる2つの主要成分の構成が香りの基礎を作り、これを取り囲むように他の成分に由来する香りがそれぞれの特徴・バランスを彩ります。
ニュージーランドラベンダーの特徴はこれらのバランスが他産地のものと比較して大きく異なること。そう、「香りの基礎」が他産地のオイルと大きく異なるのです。
具体的には他産地では30〜40%台のリナロールが13%ほど、30%台のリナリルアセテートが50%近くという構成。その結果、フローラル感は少ないもののスッキリした香りに仕上がっています。カンファなどの含有も少ないため、ツンツンする香りもありません。

ニュージーランドラベンダーが注目されるのは香りの面だけではありません。ラベンダーオイルに多く含まれるリナロールには様々なプラスの効果が知られている反面、この成分にアレルギーを持つ人も存在します。そのためヨーロッパでは一部でラベンダーオイルの使用に規制が設けられているのですが、ニュージーランドラベンダーはリナロールの含有量が少ないため、この制限を受けることがありません。このため、ニュージーランド産アビスヒルのラベンダーは他産地のラベンダーと比較する上で低アレルギー性ケモタイプと位置付けることができます。

これだけ成分構成が大きく異なるオイルですので、活用範囲は他産地のラベンダーオイルの代替だけではありません。例えばリラクゼーションで人気のクラリセージオイルの代替にもお勧め。その理由ですが、クラリセージオイルの場合、そのオイルの構成成分は一般的に
リナロール 20%台
リナリルアセテート(酢酸リナリル) 50%台
合計 70%台
となっています。
※産地等により数値には違いがあります

対してニュージーランドラベンダーの場合、現在出荷中のロット
の成分分析で
リナロール 14.3%
リナリルアセテート(酢酸リナリル) 48.9%
合計 63.2%
となっています。

この様に、従来の「ラベンダーオイルの枠」を越えて、様々な用途が考えられるニュージーランドラベンダー。もちろん、他産地との香りの違いを楽しむだけでも十分にその価値はあります。
今までにヨーロッパ産のラベンダーオイルなどの香りによりラベンダーオイルに対して苦手意識があるという方にも是非一度、お試しいただきたい香りです。

▽ニュージーランドラベンダーのページ
http://www.teatree.jp/TTF/NZLavender_product.htm

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