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2012年1月31日 (火)

精油を語る(10)アニスシードマートル

B_aniseed精油を語るシリーズも10回目。後半に入って難しい精油が残ってしまいました。この中でも情報量の少なさから最難関と言えるのが今回ご紹介する「アニスシードマートル」ではないかと思います。

アニスシードマートルはその名前の通り、アニスシードオイルと成分や香りがとても似たオイルが抽出される樹木です。オーストラリア東海岸の亜熱帯雨林の中でも極めて限られた地域にのみ自生しており、自生域はレモンマートルとも重なります。

精油についてですが、手元にあるアニスシードオイルの主成分の場合で成分解析ではトランス-アネトールという成分が92%、エストラゴールという成分が2.5%で全体の94.5%を占めているのに対して、アニスシードマートルの成分構成はトランス-アネトールが85.6%、エストラゴールが9.5%で合計95.1%(2011年産のAA-026の例)となっています。つまりオイルの主要部分と言いますか、ほとんどの部分がバランスが少し異なるものの、これらがほぼ同じだという事になります。

アニスシードの香りはリコリッシュなどで食用として親しまれているため、オーストラリアでアニスシードマートルの香りを紹介するときまって「ああ、リコリッシュの香りがする」という返事が返ってきます。それほどにオーストラリアやヨーロッパ各国では親しまれている香りなのですが、日本では人気がないため、あまり香りに触れる機会もないかと思います。
また、アニスシードの香りは強くクセがあるため、比較的好き嫌いがハッキリする香りの一つと言えるかと思います。私自身も個人的にはアニスシードの香りは苦手。しかしアニスシードマートルの場合、その苦手意識が大きく弱まります。その理由はアニスシードオイルには草が持つ独特の青い香りがあるのに対して、樹木から抽出されたアニスシードマートルオイルにはこの「草の香り」がないからです。香りは似ているものの、苦手意識の中でこの違いは結構大きいかと思います。そういえばレモングラスの香りも苦手で敬遠していたのですが、この理由も草の香りでした。

ところでアニスシードマートルの精油には強い鎮静効果があります。試しに兄弟げんかで怒って泣いていた自身の子供(当時6歳)に香りを嗅がせたところ、みるみる表情が変化し、落ち着いたのには驚きました。ブレンドに少量を加えて屋内に拡散し、精神のいらだちを抑制する鎮静効果を期待する使い方も有効かもしれません。

▽アニスシードマートルオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/aniseed-myrtle_product.htm

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2012年1月30日 (月)

精油を語る(9)ホホバ

Jojobagolden今回はホホバオイルです。「でも、ホホバオイルは精油じゃないのでは?」と思われた方がおられましたら正解です。ホホバオイルは精油・エッセンシャルオイルではなく、これらを希釈する為に使用されるキャリアオイルに区分されるべきオイルです。しかし、たとえばマッサージオイルを作るとして、精油とキャリアオイルのどちらをより多く使うでしょう? もちろんキャリアオイルですね。
つまり、どれだけ良質な精油を使用したとしても、同時に使用するキャリアオイルの品質がイマイチなら全てが台無しになってしまうということ。ですから、精油と同じほど、むしろそれ以上にその選択に気を使いたいのがキャリアオイルなのです。そこで今回は精油ではありませんが、ホホバオイルについて語ってみたいと思います。

ホホバオイルは北米、南米を中心に生産されるオイルです。現在ではオーストラリアやイスラエルなどでも生産されており、Tea Tree Farmsで出荷しているホホバオイルは全てオーストラリアで生産されたオイルになります。
ホホバオイルには無色透明に精製漂白されたものと、ゴールデンと呼ばれる精製漂白のないタイプの2種類があります。日本ではかつて、無色透明タイプが人気で主流でしたが、現在では高品質で化粧品としても多用されるゴールデンタイプのホホバオイルの人気が高まってきました。
では何故ゴールデンカラーなのか? その理由は簡単で、精製漂白する必要がないほどに品質が高いオイルだということなのです。ホホバには化粧品として利用されるゴールデンのほか、工業用として使用される工業用グレードなどいくつかのグレードが存在し、もちろんその価格には大きな開きがあります。ホホバオイルを探していて、どうしてこれだけ価格に開きがあるのか、と疑問に思ったことがある方、その答えはオイルのグレード・品質だったんです。
だからこそ「ホホバオイル」という一括りで単純にオイルを選択するのではなく、そのグレードを見極めて選択する事が重要になるのです。

ティーツリーファームズ/ヒーリングスタイルのホホバオイルはオーストラリア産のゴールデンホホバオイルです。オーストラリア産のオイルはコスメ業界でも高い評価を受けており、日本でも大手企業が採用するなど、人気が急上昇中。安定した品質には定評がありますが、引き合いの増加に伴い、近年生産者価格が急上昇しています。
ティーツリーファームズ/ヒーリングスタイルでは生産農園との直接取引に加えて、容器の共通化・簡素化などを通じ、比較的安価でフェアな価格を実現しています。特に大容量での「まとめ買い」がオトクなのですが、そうすると気になるのが保存期限。多くのキャリアオイルは酸化により劣化が進みやすいため、長期保存に適しません。しかしご安心を。ホホバオイルはその成分が大変安定しており、酸化がほとんど進まないため長期保存に適しているのです。常温のまま3年は十分に保管可能ですのでまとめ買いに適したオイルと言えます。

ホホバオイルを精油を希釈するためのキャリアオイルとしてならTea Tree Farmsブランドのホホバオイルをご選択下さい。(→Tea Tree Farms ホホバオイル
一方でコスメ用途であればヒーリングスタイルブランドの商品がお勧め。ヒーリングスタイルの商品にはスライド式のキャップを採用していますので片手で簡単に使えるほか、プレーンタイプのオイルに加え、ラベンダーやゼラニウム、ペパーミントなどの香りを加えたフレグランスタイプ、ティーツリーオイルから抽出した抗菌成分を加えた抗菌タイプなど6種類のホホバオイルの中からご選択いただけます。(→ヒーリングスタイル ゴールデンホホバオイル

精油に対してキャリアオイルはどうしても「オマケ」という感覚で安易に選択しがちですが、むしろ精油より使用量が多いキャリアオイルだからこそ、もっと厳しい目で選択することが大切なのです。


<追記>
この記事をお読みいただいた読者の方より「基本的には値段が高ければ高いほどよい商品ということですよね。」とのご質問をいただきました。

品質と価格についてですが、常識的な価格の商品を選択いただければ良いというものであって、激安商品にはそれなりの理由があるということを書かせていただきました。
もちろん逆に高ければ高いほどよい・・・というものでもありません。ホホバオイルの生産者市場価格からあまりにかけ離れた価格の商品は容器や梱包が高額なのか(製造原価で実は中身よりも容器の方が高い、なんていうことも)、広告費を掛けているのでコストが高くなっているのか、規模が小さいため製造原価そのものが高止まりしているのか、もしくは販売者の利益率が高いだけなのか・・・様々な理由があるかとは思います。

他社様の事情・方針についてコメントする立場にはございませんが、時折、弊社商品が他社様の商品と比較して割安なことからその理由についてお問い合せをいただく事がございます。当社では過剰な包装を避けるなどのコスト管理を徹底した上で国際価格を基準としてコストに対して適正な利益を加算した「フェアな価格」での商品価格の決定を行っています。品質に妥協のない、他社様に劣らぬ高品質なオーストラリア産ゴールデンホホバオイルをお届けしていますのでご安心下さい。

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2012年1月28日 (土)

今年のインフル・風邪予防には精油を活用しましょう

インフルエンザの流行中ですが、予防に精油を活用してみませんか。

<空間に拡散>
抗菌効果の高い精油をディフューザーを使用して空間に拡散します。キャンドル式のアロマポットでは拡散量が少なすぎますので、超音波式のディフューザーを使用して下さい。小さな空間であれば芳香用のディフューザーでも構いませんが、リビングなど広めの空間や寝室で夜間を通して長時間運転するなら専用の抗菌用ディフューザーの使用がお勧めです。
拡散するオイルはティーツリーやユーカリなどがお勧め。色々な香りを楽しみながら抗菌するなら抗菌エッセンシャルオイル『メディフレグランス』をご利用下さい。オレンジやラベンダーなどの香りを楽しみながら空間の抗菌ができます。

<手洗い>
手洗いは風邪予防に最も有効といわれています。市販の液体石鹸にティーツリーオイルを加えて混ぜ合わせ、抗菌石鹸を作りましょう。100mlの液体石鹸に対して1〜5mlのティーツリーオイルを加えてよく混ぜあわせれば完成。石鹸によっては分離する事がありますので、この様な場合には使用前に良く振って混ぜ合わせて使用します。

<うがい>
風邪予防にはうがいも重要。コップ1杯の水にティーツリーオイルを1滴加えてうがいに使用します。オイルは苦味が強いため、この苦味が苦手な方にはティーツリー20%希釈オイルの方が使いやすいかと思います。鼻うがいでも使用できます。
ティーツリーオイルを使ったマウスウォッシュも併用すると口臭や口内炎予防になりますのでこちらもお勧め。マウスウォッシュの作り方はこちらのリンクから記事を参照して下さい。

<抗菌スプレー>
「水でうすめてつかえるティーツリーオイル」を使って抗菌スプレーを作ります。作り方は簡単でこの特別なオイルを水で5〜10倍に希釈して、スプレー容器に入れるだけ。抗菌したい空間で拡散してみましょう。
インフルと同じ頃に増えるのが胃腸風邪と呼ばれるタイプのトラブル。これにはキッチンまわりの抗菌が有効です。ペパーミントオイルを活用した抗菌スプレーを活用してみませんか。作り方はこちらのリンクから記事を参照して下さい。

精油には香りを楽しむだけでなく、日常生活においても様々な活用方法があります。今年の風邪予防に積極的に活用してみませんか?

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2012年1月26日 (木)

精油を語る(8)ブルーサイプレス

B_abcオーストラリアにはこの国でしか生産されない、そしてその生産量自体が少ない、そんな希少な精油が数多くありますが、その中で最も注目されている精油の一つと言えるのがこのブルーサイプレスオイルです。実際には複数の生産者があるものの、年間の生産量が限られており、世界的に人気のため、世界中の有力精油メーカーが数珠つなぎでオイルの出荷を待っている・・・そんな希少なオイルです。

その名前の通り、魅惑的な青い色の精油。樹木をチップにしてじっくり時間をかけながら水蒸気蒸留する事によって抽出されます。しかし温度や圧力、時間など具体的な抽出方法については秘密とされており、通常は関係者以外、このオイルの蒸留現場に立ち入ることが許可されません。
数年前、生産者の蒸留現場を特別に見せてもらったことがあるのですが、蒸留された水を冷却して貯めるガラス製容器の中に攪拌された状態でキラキラ光る青いオイルの粒子がとてもキレイだったのを覚えています。

一般的にサイプレスオイルといえばCupressus sempervirensという樹木より抽出された、少し黄色味がかった色で、針葉樹独特の香りを持つオイルです。これに対してブルーサイプレスはCallitris columellaris (※オーストラリア政府機関の決定によりIntegrated Botanical Information System (IBIS)の記述が変更されたことに伴いCallitris intratropicaから変更) という樹木、一般にオーストラリアヒノキとして知られる樹木より抽出されており、樹木の種類が異なります。そのためオイルの性質、成分構成、そして香りにも大きな違いがあります。

香りは独特の針葉樹の香りを保ちながら、甘みを感じさせる深い香り。香りの構成が非常に複雑なため、そのまま香水として使用できるほどに完成された香りと言えます。
粘性が高いため、そのままの状態で超音波式のディフューザーでの使用にはあまり向きません。エタノールなどを使って希釈し粘性を弱めるか、粘性の低いオイルとのブレンドでの使用がお勧めです。

そのままでも十分に楽しめる香りですが、ブレンドで楽しむなら柑橘系の香りがオススメ。特にオレンジやグレープフルーツなどの香りとのブレンドがお勧めです。これら柑橘系のオイルは粘性が低いので、ディフューザーを使った拡散用のブレンドにも適しています。

オイルは酸化に比較的弱いため、開封後の長期保存はあまりお勧めできません。また粘性が高い分、使用後にキャップ内部に滞留したオイルが劣化してベトベトすることがありますので、できれば使用後はこまめにドロッパー、およびキャップ内部を拭き取って、必ずボトルを立てた状態で保存すると良いでしょう。

ところでこのオイルには香りを楽しむ以外にもう一つの使い方があります。それは細菌性のイボ対策。私自身も顔面にできたイボに使用しましたが、キレイに除去する事ができました。これについてはブログ記事「精油でイボ取りに挑戦」をご一読下さい。

▽ブルーサイプレスオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/bluecypress_product.htm

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2012年1月24日 (火)

精油を語る(7)オーストラリアン ペパーミント

Pbpicphp精油を語るこのシリーズも今回で7回目。今回はペパーミントをご紹介しましょう。

ペパーミントの葉を水蒸気蒸留する事により抽出されるのがペパーミントオイルです。ペパーミントの香りといえば歯磨きやガムなどでどなたにも馴染みのある香りかと思います。大変刺激の強い香りですのでその違いを感じにくいのですが、実は比べてみると結構、産地によって香りに違いがあります。

日本には北米やヨーロッパ産のオイルなどが多く流通しているようです。これらのオイルの多くがスパイシーな「辛口の香り」なのに対して、オーストラリアンペパーミントは「甘さを強く感じさせる香り」が特徴。そのため、初めてオーストラリア産のペパーミントオイルを試された多くのお客様より『深呼吸したくなる爽やかでも優しい香りがする』と驚きと喜びの感想をお送りいただいています。

実はこのオーストラリアンペパーミント、その優れた香りからTea Tree Farmsの出荷オイルの中でも特にアロマスクールやプロのセラピストを含む、プロユーザー向けに出荷の多いオイルとなっています。そのため、気づかないうちに、既にこの香りに出会っておられる方も多くいらっしゃることでしょう。

ペパーミントオイルの特徴と言えばメントールの成分。スッとするあの特徴的な香りの源泉です。ただ、刺激の強い成分でもあり、芳香であっても高濃度で使用すると肌にチクチクと刺激を感じることさえありますので取扱には少し注意が必要かもしれません。

アロマの分野ではペパーミントの香りには集中力を高めてくれる効果があるとされていますが、数年前にアメリカの大学による研究結果でこの事が裏付けられたことが大きなニュースになっていました。これ以降、学習や仕事などで集中したい場面で使用する方が増えています。また、長時間の車の運転などにも適しているとされ、同時に同乗者が車酔いするのを防いでくれる効果も期待できます。

ペパーミントオイルには吐き気を抑制してくれる効果が知られていますが、同時に胃腸の働きを整えてくれる効果があることが知られています。オーストラリアにおいては胃腸がすぐれない患者向けに、薬剤師がペパーミントオイルを水で低濃度に希釈し、内服薬として処方することもあります。

さらにペパーミントオイルの成分は蚊が嫌うため、虫除けとしての効果も期待できます。以前紹介したレモンユーカリやレモンセントティーツリーとはまた違った成分によるアプローチとなりますので、これらをブレンドする事により、より一層強力な虫除け効果が期待できます。

この様に、ペパーミントオイルは比較的用途の広いオイルですが、香りには強い特徴がありますので、芳香を目的としたブレンドに使用する場合には「主役」としての採用となるかと思います。もう少し控えめなミントの香りをお探しの場合にはスペアミントオイルが選択肢になることでしょう。

▽オーストラリアンペパーミントオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/ttpp_product.htm

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2012年1月23日 (月)

精油を語る(6)レモンユーカリ

Bleuレモンユーカリ、ユーカリレモン これらの名前で呼ばれるこの精油はユーカリ・シトリオドラ種から抽出されたオイルです。このユーカリは10メートル以上になり、葉も長く大きめ。樹皮が剥がれて白い幹が露わになっているものも多くある、比較的見つけやすいユーカリです。

その名前の通りレモンを思わせる香りを持つオイルが抽出されるユーカリで、葉を摘んで指先で潰せば独特の香りが立ちのぼります。
ただ、レモンといってもレモンマートルのような鮮烈な香りではなく、どちらかというと「レモンの香りの洗剤」に似た香り。個人的にはうな丼に使う「山椒」の香りに近い気がしますが・・・。

その成分は全体の7〜8割をシトロネラールが占めます。これは蚊が嫌う成分で、強力な虫除けの素材となり得ます。同様に多くのシトロネラールを多く含有するオイルにシトロネラオイルやレモングラスオイルがあり、これらも虫除けの素材として活用されていますが、レモンユーカリオイルはこれらのオイルを大きく上回る量のシトロネラールを含有していますので、虫除けの素材としてはレモンユーカリの方がより有効と言えます。

一方で一般に「ユーカリオイル」と呼ばれるグロブルス種などのオイルに多く含まれ、ユーカリ独特のツンとする香りの源泉となる1,8シネオールは1%未満しか含まれないため、喉や鼻のグズグズした症状を緩和してくれる効果は期待できません。

香りに少しクセがあるため、芳香用としては好みが分かれるオイルですが、虫除けの素材としては高い人気があり、毎年、蚊が気になり始める5〜6月頃より出荷量が急増します。
虫除けとしてはホホバオイルやマカデミアナッツオイルで20〜50倍に希釈したものを肌に直接塗布する方法で使用できるほか、エタノールなどで10倍ほどに希釈したものをスプレー容器を使って網戸や蚊が隠れているバルコニーの隅などにスプレーする方法も。ディフューザーを使って拡散する方法もあります。
なお、このオイルによる虫除け効果は「蚊が嫌って近づいてこない」ものであって「蚊を殺す殺虫剤」ではありません。

芳香を兼ねた虫除けなら、ペパーミントオイルやラベンダーオイルなどとのブレンドにより、さらに虫除け効果を高めながら、楽しむのもお勧めです。

▽レモンユーカリオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/ttel_product.htm

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2012年1月21日 (土)

精油を語る(5)ロザリーナ/ラベンダーティーツリー

Brosティーツリーと同じメラルーカ種の樹木で、見た目も見分けがつかないほどに似ているのがロザリーナ。学名を「Melaleuca ericifolia」(メラルーカ・エリシフォリア)といいます。別名はラベンダーティーツリー。

この別名で「ラベンダーティーツリーのオイル」と紹介しますとしばしばラベンダーオイルとティーツリーオイルのブレンドオイルの事かと勘違いされることがあるのですが、これは違います。ラベンダーに似た成分を持つオイルが抽出できるメラルーカ種(ティーツリーの近似種)の木というのがこの別名の由来です。

ロザリーナオイルの構成成分のうち、ラベンダーオイルに多く含まれることで知られるリナロールが全体の35〜40%も含まれるのが最大の特徴。その為、この成分に由来する華やかでフローラルな香りが強くあり、あたかも花から抽出されたオイルのように感じられます。実際にはティーツリーと同じく葉や枝より抽出されていますので、この印象とのギャップには驚くばかりです。

2番目に多く含まれるのが1,8シネオールという成分で、全体の3割ほどを占めます。この成分はグロブルス種などの一般的なユーカリオイルに多く(80%〜90%)含まれる成分で、刺激のあるスッとする香りが特徴。
この成分が比較的多く含有されることにより、フローラルな香りに少しスパイシーな刺激が加わる、ラベンダーに似た香りが構成されます。

リナロールにはリラックスや抗菌効果があります。一方、1,8シネオールには喉や鼻のグズグズを緩和してくれる効果があります。その為、少し風邪っぽいときや花粉の季節などにディフューザーを使用して空間に拡散するのがお勧め。特に1,8シネオールの含有量がユーカリほどには高くないため、刺激が少なく使いやすいオイルと言えるでしょう。

香りを楽しむ上でも活用できるのがロザリーナ。単体で使用する事もできますが、むしろブレンドとして使用がおすすめ。フローラルな香りがさらに一層引き出され、単体での使用では感じられなかった深い「存在感」を知る事ができます。たとえば、香水作りでの使用ならローズオイルの代替として使用するのもお勧めです。

ロザリーナオイルはTea Tree Farmsでも出荷量の多いオイルではありません。こちらオーストラリアにおいても、かなりマイナーなオイルで、アロマに詳しい人であっても知らない人の方が多い事でしょう。
しかし、これだけ高い濃度のリナロールを含んだオイルはラベンダーオイルの代替ともなり得る上、1,8シネオールの含有によりユーカリやニアウリの代替としても活用できるという、活用用途との広い極めてユニークな存在です。
禁忌も特になくブレンドにも適していますので、香水や石鹸作りなど精油を使ってオリジナルな香りを作って楽しんでおられる方には是非オススメしたい1本です。

▽ロザリーナ/ラベンダーティーツリーオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/rosalina__product.htm

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2012年1月20日 (金)

精油を語る(4)マヌカ

B_manukaマヌカという名を聞くと蜂蜜、優れた抗菌効果で有名なマヌカハニーをイメージする方が多いのではないでしょうか。

ニュージーランドに深い縁のある方なら、もしかすると「マヌカ」という名前よりも「ティーツリー」という名前でこのオイルのことを聞いたことがあるかもしれません。これはニュージーランドでティーツリーと言うとマヌカを指す場合がしばしばあるからです。この結果、ティーツリー(Melaleuca alternifolia)オイルを含有する商品に誤ってマヌカの花の写真や絵柄が使われているケースをしばしば目にします。

名前こそティーツリーと呼ばれる事があるものの、マヌカとティーツリー(Melaleuca alternifolia)は別の種類の植物で、抽出されるオイルも全く異なります。しかし共通するにはどちらにも黄色ブドウ球菌やカンジダ菌などに対して強力な抗菌・殺菌効果があるということです。これこそがこの2種類のオイルをさらに混同させる原因なのですが、含有される抗殺菌に有効な成分は全く異なります。
ティーツリーオイルがテルピネン4オールを中心とした成分が抗殺菌に有効であるのに対して、マヌカオイルはLeptospermoneを中心とする4種類のトリケトンと呼ばれる成分が有効となっています。

時折、ティーツリーオイルとマヌカオイルのどちらの方が抗菌・殺菌に効きますか、というお問い合せをいただきます。しかしながら抗殺菌効果を持つ成分が全く異なるわけですから、対象となる菌によってその効き方も変わってきますので、一概にどちらが強い、弱いということは言えません。
マヌカオイルに関する情報をネットで検索すると、商品の宣伝に「ティーツリーオイルの○○倍の殺菌効果があります」などと記載しているケースがありますが、比較に用いられたティーツリーオイルの品質も不明な上、これは特定の「ある種類の菌」に対して出た結果であって、販売者にとって都合の良い数字を大きく扱った、ある種のトリックでしょう。

しかしながら、マヌカオイルにはティーツリーと同様に大変強い抗殺菌効果があることは事実であり、日本においてもこの抗菌効果を生かしてアトピー性皮膚炎の治療にしばしば用いられているようです。(ただし、Tea Tree Farmsでは具体的な使用方法についてのお問い合せにはお答えできませんのでご了承下さい。)


こんな素晴らしい抗菌効果が期待できるマヌカオイルですが、一方で当社が出荷するオイルの中で香りに対するクレームが過去に最も多いオイルでもあります。これは品質や香りがおかしいといった類ではなく、非常に説明しづらいクセのある独特な香り、あえて言うなら漢方薬のような香り、とでも言いましょうか、この香りに対して用途が見いだせないというもので、芳香でゆっくり楽しもうという方にはあまりオススメできない香りです。もしブレンドをするならサンダルウッドとなら合わせることができるかと思いますが、マスクできるような香りでもありませんので。。。
と、言うことで香りを楽しむ用途ではお勧めできません。また空間の抗菌のためにディフューザーなどを使って屋内に拡散するのも、避けられた方が良いのではないでしょうか。もちろん香りへの好みによりますが。

ところでTea Tree Farmsで出荷しているマヌカオイルはニュージーランド・イーストケープ産の100%ピュアオイルです。マヌカオイルについては肌への使用を前提としてアーモンドオイルなどで希釈したオイルが多く出回っていますので、オイルを選択する際に混同してしまわないよう、ご注意下さい。

▽マヌカオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/manuka_product.htm

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2012年1月19日 (木)

精油を語る(3)レモンマートル

Lmボトルを開封した瞬間から鮮烈な香りが立ちのぼる・・・そんなパワフルな香りを持つのがレモンマートルオイルです。

その名の通りレモン果実を思わせる香りを持つものの、レモンとは全く関係のないユーカリなどに近い種類の植物で、オイルはこの木の葉を水蒸気蒸留することにより抽出されます。
オイルはその構成成分の9割以上をシトラル成分が占めているため、香りが強い一方で成分も大変強いものとなります。この事から、使用者の体質によるものの、十分に希釈されないままに肌に触れると肌が赤くなったり、痒みを伴った湿疹などが出る事がしばしばあります。またディフューザー等を使った空間への拡散で使用した場合においても、高濃度で使用すると肌に刺激を感じることもありますので、取扱には少し注意が必要です。

香りはレモンの果汁・果肉に似ているため、果皮から低温圧搾により抽出されるレモンオイルの代替とはなりません。一方でレモンオイルに強く残る果皮からの独特の苦味を感じさせる香りが無いため、むしろ果汁・果肉の香りに慣れた一般の方には「レモンオイルよりもレモンに近い香り」と感じられる、ユニークな存在です。

成分は大変強いものの、オイルには毒性がないため、十分に希釈すれば食用としても利用できます。例えばオーストラリアのレストランにおいては100mlほどのオリーブオイルに対して1〜2滴加え混ぜ合わせたものを、魚料理やサラダなどに使用しています。

このほか、日用品用途としてレモンマートルオイルを活用した石鹸やでデオドラント、虫除けなども製造されています。しかしながら成分が大変強いため、他のオイルとブレンドしての活用が多いようです。
光毒性もないため手作りコスメなどの素材として活用できますが、あくまでも香りを加える事を目的とし、十分に希釈して使用する事が重要です。

ブレンドについてですが、このオイル自体が大変強い香りを持つため、少量でも他の香りを圧倒し、マスクしてしまう事が多々あります。刺激のあるミント系の香りとの相性は良いですが、それ以外の場合はごく少量のブレンドから試すのが得策でしょう。

▽レモンマートルオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/lem-myrtle_product.htm

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2012年1月18日 (水)

精油を語る(2)タスマニアン ラベンダー

2010laveder_set精油を語る、2回目はタスマニアンラベンダーです。
タスマニアンラベンダーオイルはその名前の通り、オーストラリア大陸に南に位置するタスマニア島の農園で生産されたラベンダーから抽出されたオイルです。元は1921年にフランスから持ち込まれた真正ラベンダー(Lavandula angustifola /Lavandula officinalis)がタスマニアの地で育ち、現在のタスマニアンラベンダーになりました。もう90年以上も続く農園で生産されるこのオイルは世界的にも高い評価を受け、高価で入手が比較的難しいオイルとして知られています。

生産量が限られていることから、ほとんどのオイルが有力サプライヤーの手を経由して世界中のエッセンシャルオイルブランドに供給されている中で、Tea Tree Farmsでは生産農園との直接取引により、常に最も新しいオイルの供給を受ける立場にあります。

さて、このタスマニアンラベンダーの特徴は何よりもその香りにあります。ラベンダーと言えばフランスを含む欧州産が中心ですが、ほとんどのオイルで香りの最初に感じられるのは「ツン」とする少し刺激のある香りです。この香りの後からフワッとした花の香りが追いかけてくる、そんな感じでしょうか。
対してタスマニア産のラベンダーの場合、最初にあるはずの「ツン」とする刺激部分の香りがほとんどありません。遮られることなく最初からフワッとした華やかな香りが広がってくるのです。このため、香りの持つ華やかさが格段に増して感じられます。

オイルの成分上もフローラルな香りを醸し出す「リナロール」という成分が非常に多く含まれます。リナロールについては残念ながらこの成分が体質に合わない一部の方には頭痛や吐き気の原因となる事もありますが、多くに方にとっては華やかで心地よい香りの源泉となります。火傷に対してラベンダーオイルを使用する事がありますが、この治癒に効果をもたらすのもリナロールです。

リナロールに対してもう一方の主成分となるのは酢酸リナリルという成分。スッキリ感のある香りでタスマニア産ラベンダーの場合、このバランスが平均して約40%と30%というバランスになり、これがタスマニアンラベンダーの香りの根幹をなすバランスになっていると言えます。

タスマニアンラベンダーについては他産地のツンツンした香りのラベンダーを経験し、ラベンダーオイルに苦手意識をお持ちだった方より「タスマニア産は全く別でした」というお便りをしばしばいただきます。それほどに産地によって違いが大きく、その違いを楽しめるのがラベンダーの香りです。

また、ラベンダーオイルは熟成させるほどに香りに深みが増してきます。Tea Tree Farmsのタスマニアンラベンダーオイルはその年の一番新しいオイルを出荷していますので、特に出荷開始直後のものは少し青さを感じさせる、トゲトゲした香りが残ります。これこそが新鮮なラベンダーの香りです。そしてこの香りはその後、数ヶ月かけて急激に変化してゆきます。この変化を楽しめるものTea Tree Farmsのオイルだからこそ。

オーストラリアを代表する精油の一つと言える、タスマニアンラベンダーの魅力を十分に楽しんでいただければと願っています。


▽タスマニアンラベンダーオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/tt_tas_product.htm


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精油を語る(1)レモンセントティーツリー 

2009lemonteatreeこのブログの新企画として、毎回1種類、当社取扱の精油と植物について、詳しくご紹介をさせていただきたいと思います。最後まで続けられるか・・・少々不安ですが。
では第1回目はレモンセントティーツリーにしましょう。

別名はレモンティーツリー。一説には葉がティーツリーと似ていると言うことでこの名前がつけられたと言われています。確かに一見すると似ていますが、樹皮はティーツリーの属するメラルーカ種のものとは大きく異なります。また花もティーツリーの花が綿菓子のようなフワフワしたものなのに対して、レモンティーツリーは五角形のような花。この花の形状はLeptospermum種の植物にみられるもので、同じ種に属するマヌカの花と似ています。
実際のところは元来、オーストラリアでは細かな品種にこだわらず、原生林に一緒に生えるメラルーカ種やLeptospermum種の植物を一括りにして全てティーツリーと呼んでいたことから(未だにそう呼ばれています)、「レモンみたいな香りのするティーツリー」という名前になったのでしょう。

この植物から抽出されるオイルもティーツリーのものとは大きく異なります。時折、名前より「香りは違うもののティーツリーオイルと同質」だと誤解されている方もおられるようですが、全く別物ですのでご注意を。

レモンティーツリーオイルはシトラル成分を中心に構成され、これらが全体の約4〜5割。さらにシトロネラールが1〜2割ほど含まれます。これらは蚊が嫌う成分として知られているもので、この結果、レモンティーツリーオイルには高い虫除け効果があります。シトロネラールを中心に構成されているレモンユーカリオイルにも同様に高い虫除け効果がありますが、レモンティーツリーの方がシトラル成分が多く含まれている分、柑橘系の香りが強く、香りの上で好まれる方が多いオイルです。この事からTea Tree Farmsがヒーリングスタイルで製造販売していますハーブの虫よけスプレーもレモンティーツリーオイルを主成分にしています。

オイルの構成成分には植物によりかなりの個体差があるため、結果として生産する農園毎にもオイルの構成成分にも比較的大きな違いがみられます。ただ、シトラル成分を中心とした香りのためか、成分分析上は違いが大きく見えても、香りにあまり違いが感じられないオイルです。

レモンティーツリーオイルには太陽光により肌にシミを作る「光毒性」はありません。そのため、手作りコスメや手作り石鹸などで柑橘系の香り付けをするのに適したオイルです。名前こそレモンと冠していますが、実際の香りは少し甘みを感じさせる、レモンとオレンジの中間ほど。強いレモンの香りを期待するならレモンマートルオイルの方が適しているかと思います。
抗菌については、穏やかな抗菌効果があることが知られていますが、しっかりと抗菌をするならやはりティーツリーオイルの選択をお勧めします。

香りを楽しむためのブレンドならペパーミントやスペアミントなどのミント系の香りがお勧め。このほかブルーサイプレスとも良いコンビネーションがお楽しみ頂けます。禁忌は特になく、穏やかながらメリハリのある香りで香りの持続時間も長いため、アロマ初心者の方にも比較的使いやすい精油です。

▽レモンセントティーツリーオイルのページ
http://www.teatree.jp/TTF/tt_lem_product.htm

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2012年1月14日 (土)

黒地に蛍光色の派手なカナブン@豪州

2012kanabun先日、自宅の納屋を掃除した際に腐った木片を発見。この木片を捨てようとして地面に落としたときに木片の中から出てきたのがこのカナブンでした。

大きさは1.5センチほど。角があるわけでもなくごく普通のカナブンの形ですが驚いたのはこの色彩パターンです。黒地に蛍光グリーンのような鮮やかな緑。模様も独特で芸術的じゃありませんか! いかにも不思議が多いオーストラリアの虫って感じです。

調べてみたものの、名前は分からず。ただあまりにキレイなので画像をご紹介します。
どなたか名前をご存じありませんか?

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500mlの大容量ホホバオイル、人気です

2012jojoba500人気のオーストラリア産のゴールデンホホバオイルの中でも、ヘビーユーザーの皆さんに特に人気なのが500mlの大容量ボトルです。
ドロッパーやスライド式キャップは付属していませんが、割安な価格設定は100mlボトル4本分の価格と同額ですから20%もオトクで、タップリ使いたい方へお勧めの1本です。

Tea Tree Farms ホホバオイル
http://www.teatree.jp/TTF/c_product_jojoba.htm

スライド式キャップ付きで使いたい方にはヒーリングスタイルのゴールデンホホバオイルがお勧め! プレーンタイプのほか、ラベンダーやペパーミント、ゼラニウムなどの香りが楽しめるフレグランスタイプ、ティーツリーオイルガラ抽出された抗菌成分が入った抗菌タイプなど、他社さんとはちょっと違った機能性ホホバオイルが人気です。

▽ヒーリングスタイル ゴールデンホホバオイル
http://www.healingstyle.com/pro_jojoba.htm


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2012年1月 3日 (火)

オーストラリアは「夏休み」を終え「仕事始め」です

2012newyearクリスマスからニューイヤーへと続く長い「夏休み」を終えてオーストラリアは今日が仕事始めです。Tea Tree Farmsも本日より通常の体制で業務を再開させていただきました。
本年もご愛顧のほど、宜しくお願い致します。

今年の年末年始は大陸の南部や西部で気温が40度を超える猛暑となりましたが、一方でTea Tree Farmsのあるエリアを含むゴールドコーストやブリスベン地域では30度を超えることのない、過ごしやすい毎日でした。

やっぱり夏休みですからアウトドアですよね。トラクターに縛った布袋に座って引きずられる、こんな遊びが楽しかったりします。


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