今日は先日より出荷を再開させていただいたオーストラリアンサンダルウッドについて、一般にはあまり知られていない「秘密」を2つご紹介したいと思います。
Tea Tree Farmsでは今回出荷分のサンダルウッドよりオイルのサプライヤーを変更しました。その理由は従来より更に高品質なオイルを製造するサプライヤーとの出会いがあったから。品質のアップと共にオイルの生産者卸売価格は上がりましたが、それでもお客様へ是非お届けしたい、そんな素晴らしいオイルです。そしてこの品質に隠されているのが今回の「秘密」になります。
西オーストラリア州に自生する天然木より抽出されるサンダルウッドオイル。その資源の枯渇を防ぐために伐採が厳しく管理されているこのオイルの製造には州政府のライセンスのほか2つの重要な技術がポイントになります。
1つ目は蒸留のための技術。サンダルウッドオイルは水蒸気蒸留法によって抽出されます。つまり植物を蒸し上げて、その蒸気を集め、そこからオイルを分離する方法です。蒸留には温度と圧力、そして時間の管理が要求されます。
水蒸気蒸留では蒸留時間が長ければより多くのオイルが抽出できますが、香りの上で好ましくない成分が増える事により、香りに濁りが生じる事があります。サンダルウッドオイルにおいても同様で、蒸留時のある一定の段階でウッディーな香りを阻害する成分が上がっていますので、この段階だけの蒸気を分離し、仕上がったオイルに入らないように調整しているのです。もちろん仕上がった段階でのオイルの量は減りますが、この方法によってより香りの優れたオイルが抽出される事になります。
そして2つ目が調合技術。天然自生しているサンダルウッドはその伐採地域によって抽出されるオイルの成分が大きく異なります。つまり「ケモタイプ」が異なるということです。
この意味を単純化してご説明しましょう。例えば北部では成分Aが50%、成分Bが30%、成分Cが20%含まれる木がサンダルウッドがあるとします。しかし中部ではこのバランスが成分A20%、成分B70%、成分C10%だとします。そして南部では成分A40%、成分B40%、成分C20%と仮定します。
この場合、3地域のサンダルウッドの成分は全く異なり、この違いは香りにも現れますので、このままでは「サンダルウッドの香り」というものが成り立たなくなってしまいます。そこでこれら複数のケモタイプのオイルを調合し、一般的に好まれるサンダルウッドオイルの香りと成分構成となるよう調合・ブレンドする事になるのです。
これこそが職人技。優れたサンダルウッドオイルの香りは優れたブレンダーの技から生まれることになるのです。
この様にして生まれてきたサンダルウッドオイル。生産者卸売価格はアップしましたが、より多くの皆様に違いを知っていただきたいと考え、Tea Tree Farmsでは販売価格をあえて据え置きとさせていただきました。是非、お試しいただきたいオーストラリアの香りです。
▽Tea Tree Farms サンダルウッドオイル
http://www.TeaTree.jp/TTF/sandalwood_product.htm