タスマニアンラベンダーの香りの秘密
ラベンダーといっても、その産地によって香りには大きな違いがある事は過去のブログでも何度がお話をさせていただきました。その理由ですが、ラベンダーの品種に加えて土壌などの生育環境や気候など、農園そのものに依存する理由のほか、オイル抽出時の水蒸気温度や圧力、蒸留時間などオイル抽出のための技術的な理由によってもオイルの品質、そして香りには大きな違いを生じさせます。
そして、更にその違いを際立たせているのが熟成です。ラベンダーオイルは抽出直後のものとその後数ヶ月間熟成させてものとでは別物と思えるほど香りが全く異なります。この熟成ですが基本的に「酸化」が進むことにより進行します。「酸化」といいますと精油にとっては絶対に避けなければならないもののように思えますが、ラベンダーやペパーミントなどの一部の精油では適度な熟成(=酸化)が香りに大きな変化を与え、マイルドで豊かな香りを生み出してくれますので、一概に好ましくないというものでもないのです。
Tea Tree Farmsのタスマニアンラベンダーの場合、その農園はオーストラリア国内で最高水準レベルの管理を実施している事で知られており、同時に農園に併設され技術的にもラベンダーオイルの抽出に最適化された蒸留設備で蒸留されていますから、その香りは格段に違ってきます。ラベンダーオイルの本場、ヨーロッパ各国において高く評価され、その生産量の少なさもあり「幻のラベンダーオイル」とまで言われるタスマニアンラベンダーですが、その香りの秘密はこうした優れた農園管理と、その蒸留技術にあったのです。
現在出荷中の1年間じっくりと熟成されたタスマニアンラベンダーはツンとする導入部の香りが他地域のオイルと比較してはるかに穏やかに仕上がっていますから、その背景にあるラベンダー深い部分の香り遮ることなく、嗅覚を満たしてくれます。この違いを知るときっと驚かれることでしょう。
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ちなみにこちらの画像は同じタスマニア島にある別のラベンダー農園の写真です。(Tea Tree Farmsの商品を生産している農園ではありません!!)
雑草が取り除かれることなく生え、花まで咲いていました。この農園からもサンプルにラベンダーオイルを入手してきましたが、やはりオイルの香りも農園同様に不安定な荒れたものでした。
本当に優れたエッセンシャルオイルは優れた農園と優れた蒸留技術者によって生み出される、と言う良い例かと言えるでしょう。
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