凛とした澄んだレモンのような香りで人気のレモンマートルオイル。しかしココでしばしば疑問があがるのは、レモンオイルというものがあるのに、何故「レモンのような香り」のレモンマートルをあえて選ぶ必要があるのか? という事です。
レモンマートルオイルを手にされた事のある方にはすぐにご理解いただけると思いますが、一番のポイントはやはりその香り。
レモンオイルはレモンの果皮から抽出されたオイルなので果肉部分が持つ澄んだ香りとは少し違った「レモンの香り」を持っています。果皮の香りももちろんレモンの香りではあるのですが、一般的にレモンの香りといえばやはり果肉部分の香りの方が馴染みが深いですね。
ここまで読んでいただくとお分かりかと思いますが、レモンマートルはこのレモンの「果肉」部分の香りに近いと感じられる、そんな澄んだ香りを持っているのです。つまり本物のレモンオイルよりも一般に知られたレモンの香りがする、と言えるでしょう。
このほかにもレモンオイルに対して優れた点は光毒性がない事。レモンオイルは通常、低温圧搾という方法でレモンの果皮部分より搾り出されます。この際に光毒性という作用、つまりオイルが肌に付いた状態で紫外線を浴びると肌にシミを作る作用を引き起こす成分がオイルに含まれます。そのため、レモンなどの圧搾により抽出された柑橘系のオイルの多くは化粧品としてそのまま用いる事が難しい面があります。
対してレモンマートルオイルは水蒸気蒸留という方法により抽出され、光毒性を持つ成分が全く含まれません。つまり、レモンの香りを楽しみながら紫外線を気にせずに利用できるコスメが作れるというわけです。これはレモンユーカリ、レモンセントティーツリー、ユーカリ・シュタイゲリアナなどのレモン系の香りのする各オイルにも共通する事になります。
ただ、香りは似ているとはいえ、含まれているオイルの成分はレモンオイルとレモンマートルオイルとでは大きく違います。そのため香りの代用はできますが、その他のトリートメントなどを目的とした利用の場合はそうはいきません。
研究の尽くされたレモンオイルの効能はアロマを学べば色々なところで耳にされる事でしょう。
という事で、今回の記事ではどちらが優れているかという比較ではなく、それぞれに持つ特性を生かしていただき、その場にあったオイルを使い分けていただく事をお勧めしたいと思います。